COLUMN / こころのコラム
カウンセリングと精神科・心療内科の違い
どこに相談すればいい?
眠れない日が続く。気持ちが落ち込んで戻らない。人間関係がずっとしんどい。——そういう時、「病院に行くほどではない気がする」「でもカウンセリングでいいのかもわからない」と、入口の手前で止まってしまう方がいます。
相談先を選ぶのは、本来なら専門家の仕事です。それを、いちばん消耗している本人が自分で決めなければいけない。おかしな話ですが、今の日本の仕組みはそうなっています。ここでは判断の材料になるように、精神科・心療内科とカウンセリングの違いを、できるだけ正直に書きます。当方はカウンセリングの側ですが、「まず病院へ」とお伝えする場合もはっきり書きます。
いちばん大きな違いは「医療かどうか」
精神科・心療内科は医療機関です。医師が診察し、診断をつけ、必要なら薬を処方し、診断書を書きます。健康保険が使えます。
カウンセリングは医療ではありません。診断はしませんし、薬も出せません。診断書も書けません。保険も使えず、自費です。そのかわり、一回にとれる時間が長い。
この「診断・薬・診断書」と「時間」の差が、両者のいちばんの違いです。優劣ではなく、役割が違います。
| 精神科・心療内科 | カウンセリング | |
|---|---|---|
| 立場 | 医療 | 医療ではない |
| おもな目的 | 症状を診断し、治療する | 対話を通して、そうなる仕組みを扱う |
| 診断・薬・診断書 | できる | できない |
| 費用 | 健康保険が使える | 自費 |
| 1回の時間 | 数分〜十数分のことが多い | 60分〜(当方は最長180分) |
| 得意なこと | 症状を軽くする・眠れるようにする | 「なぜいつもこうなるのか」を扱う |
心療内科と精神科は、どう違う?
大まかに言えば、心療内科はこころの状態が体の症状として出ている時(胃の痛み、動悸、頭痛、めまいなど)、精神科はこころの症状そのもの(強い落ち込み、不安、眠れない、幻聴など)を主に扱います。ただ実際には両方を掲げているクリニックも多く、境目はそれほど厳密ではありません。迷ったら、通いやすいほうで構いません。
先に医療へ、とお伝えする場合
次のような状態のときは、カウンセリングより先に、あるいは並行して、医療機関にかかることをおすすめします。
- 眠れない日・食べられない日が二週間以上続いている
- 体重が短期間で大きく落ちた
- 死にたい気持ちが強い。自分を傷つけてしまう
- 仕事や学校を休む必要があり、診断書がいる
- 幻聴や幻覚がある
- お酒や薬に頼らないと一日が過ごせない
これは「カウンセリングでは扱えないから」ではなく、順番の問題です。体がもう限界のところで過去や深いところを扱っても、しんどさが増えるだけになります。まず眠れるようにする、食べられるようにする。土台が戻ってから中身を扱う。そのほうが結局は早いです。
今つらくてすぐに誰かと話したいときのために、公的な電話相談窓口もあります(番号や受付時間は変わることがあるので、「こころの健康相談統一ダイヤル」や、お住まいの自治体名とあわせて調べてみてください)。
カウンセリングのほうが向いている場合
- 病名がつくほどではないけれど、ずっと生きづらい
- 同じ人間関係のパターンを、何度も繰り返している
- 薬で症状は落ち着いたが、根っこは変わっていない感じがする
- 自分がどうしたいのか、自分でもわからない
- 家族のこと、過去のことを、時間をかけて話したい
診察室でとれる時間は短く、そこでは症状の話が中心になります。「なぜ自分はいつもこうなるのか」を扱うには、その何倍かの時間が要ります。その時間を持っているのがカウンセリングです。
生きづらさそのものについては「なんか生きづらい」の正体、人間関係の繰り返しについては同じ関係を繰り返す理由でもくわしく書いています。
両方にかかって構いません
通院中でもカウンセリングは受けられます。薬で睡眠と気分を支えながら、並行して対話で中身を扱う。珍しい形ではありません。
すでに主治医がいる方は、「カウンセリングにも通ってみます」と一言伝えておくと安心です。当方から医療機関に連絡することはありませんし、薬を減らす・やめるといった判断について助言することもありません。そこは主治医の領域です。
カウンセリングにも種類があります
ひとことでカウンセリングと言っても、中身は同じではありません。話を聴くことを中心にするもの、考え方のクセに働きかけるもの、そしてもっと深いところ——本人も意識していない思い込みや古い記憶——を扱うもの。
こころカウンセリングが専門にしているのは、最後の深層心理です。表面の出来事ではなく、その下で同じ判断を繰り返させているものを見ていきます。
できること、できないこと
正直に書いておきます。
- できないこと:診断、薬の処方、診断書や意見書の作成、医療機関への紹介状
- できること:時間をかけて話を聴くこと、繰り返しの理由を一緒に探すこと、深層心理カウンセリングで深いところを扱うこと
ここを曖昧にしたまま来ていただいても、お互いに困ります。診断書が必要な段階なら、迷わず医療機関へどうぞ。
料金と、受け方
| メニュー | 時間 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| カウンセリング | 60分 | 8,000円 |
| カウンセリング | 90分 | 12,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 150分 | 25,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 180分 | 30,000円 |
対面・電話とも同じ料金です。対面は世田谷区等々力七丁目のプライベートサロン(くわしい場所はご予約確定後にお伝えします。自由が丘駅から徒歩15分、等々力七丁目バス停から徒歩1分)。電話は全国どこからでも受けられ、通話料は無料です。
ご予約は予約ページのカレンダーから、日にち→時間→メニューの順に選ぶだけです。当日のご予約も、開始2時間前まで受け付けています(深層心理カウンセリングのみ、準備の都合で開始24時間前まで。一日にお一人だけお受けしています)。
初めての方は初めての方へに当日の流れをまとめてあります。細かい疑問はよくある質問をご覧ください。
迷った時の、いちばん簡単な決め方
- 体が限界なら、医療へ。
- 症状よりも「自分のこと」を扱いたいなら、カウンセリングへ。
- どちらもあてはまるなら、両方で構いません。
それでも決められないときは、決められないこと自体を持ってきてくださって構いません。何をどこに相談すればいいかわからない、というところから話しはじめる方は、珍しくありません。
相談先を間違えたら終わり、ということはありません。合わなければ変えればいい。夜が長く感じられる日でも、朝は来ます。その間の時間を、ひとりで持ちこたえなくても大丈夫です。
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