COLUMN / こころのコラム
「変わりたいのに変われない」のはなぜ?
意志の弱さではない理由と、最初の一歩
「今年こそ」と決めたはずなのに
年が明けた日。誕生日。何かがうまくいかなかった夜。「もう変わろう」と決めた瞬間は、たしかにあったはずです。それなのに三日後、一ヶ月後には、また同じ場所に戻っている。
そして最後は、自分にこう言います。「結局、自分は意志が弱い」。
この記事では、その結論を一度わきに置きます。変われないことには、意志とは別の理由があるからです。
変われないのは、意志が弱いからではない
こころには「元に戻す力」がある
体温や血圧が一定に保たれるように、こころにも「いつもの状態」を保とうとする働きがあります。これは欠陥ではなく、安全装置です。急な変化は、こころにとっては知らない場所へ放り出されるのと同じこと。だから変わろうとするたびに、見えないブレーキがかかります。
決意が消えてなくなるわけではありません。決意と同じくらいの強さで、引き戻す力が働いている。それだけです。
いまのままでいることにも、理由がある
もうひとつ、認めにくい話をします。変わらない状態には、たいてい「そのおかげで守られているもの」があります。
- 動かなければ、失敗して傷つくこともない
- 決めなければ、選ばなかったほうを悔やまずに済む
- 我慢していれば、誰かとぶつからずに済む
- できないままでいれば、期待をかけられずに済む
これは怠けではありません。どれも、過去のどこかで本当に必要だった守り方です。ただ、その守り方が今も自動で働いているせいで、動きたい自分とぶつかっている。
「変わりたい」と「変わりたくない」が、同時にある。これが、いちばんよくある行き詰まりの正体です。
決意が続かないとき、たいていこの三つのどれか
| よくある形 | 起きていること | 向きを変えるなら |
|---|---|---|
| 一気に変えようとする | 変化が大きいぶん、ブレーキも最大で働く | 戻ってこられる幅まで小さくする |
| 変わったあとの自分を決めていない | 「やめる」だけを決めて、その先が空白のまま | 空いた時間に何を置くかまで決めておく |
| 「変わりたい」の主語が自分ではない | 誰かの期待に応える形の目標になっている | 自分が何を望むのか、から引き直す |
三つめは、とくに見落とされます。親、パートナー、職場——「そうあってほしい」と言われ続けた形の変化は、たとえ達成しても満たされません。だから続かないのです。
深層心理から見ると、何が起きているのか
こころの奥には、ずっと前に決めたきりの取り決めが残っていることがあります。
- 目立たないほうが安全だ
- 自分の希望を言うと嫌われる
- 頑張っていない自分には価値がない
多くは子どもの頃、その環境を生き延びるために必要だった判断です。当時は正しかった。問題は、それが更新されないまま、大人になった今の選択まで動かし続けていることです。
意識では「変わりたい」と思っている。けれど奥にある取り決めのほうは、変わらないほうが安全だと判断している。表面だけを整えてもまた戻ってしまうのは、このためです。
同じ人間関係や恋愛を何度も繰り返してしまう場合も、根は近いところにあります(同じ恋愛・人間関係を繰り返すのはなぜ?)。
ひとりでできる、小さな一歩
1. 変わらないことで守れているものを書き出す
「変わりたいこと」ではなく、「変わらないおかげで避けられていること」を三つ書いてみてください。責める必要はありません。ただ、見えるところに出す。それだけで、ブレーキの正体が輪郭を持ちはじめます。
2. 目標を「一回分の行動」まで削る
続かない目標は、たいてい大きすぎます。「早起きする」ではなく「明日、十五分だけ早く布団を出る」。戻ってこられる幅であれば、こころはそれほど強く抵抗しません。
3. 変われた日ではなく、変えようとした日を数える
できた日だけを数えると、途切れた時点ですべてが失敗になります。試みた日を数えていれば、途切れても続きから再開できます。変化が根づくのは、たいてい何度か途切れたあとです。
それでも動かないときは
この三つを試しても動かないことがあります。方法が悪いのでも、根性が足りないのでもありません。ブレーキの元が、自分で見える場所にないだけです。自分の内側は、自分からはいちばん見えにくいところにあります。
こころカウンセリングでは、傾聴と対話を中心としたカウンセリングと、こころの奥へアプローチする深層心理カウンセリングをご用意しています。「なぜ変われないのか」を頭で分析するのではなく、いつ、どこで、何を決めたのか——その取り決めが生まれた場所まで、一緒にたどっていきます。
変えるかどうかを決めるのは、あなたです。こちらから「こう変わるべきだ」とお伝えすることはありません。
ご予約メニューと料金
| メニュー | 時間 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| カウンセリング | 60分 | 8,000円 |
| カウンセリング | 90分 | 12,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 150分 | 25,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 180分 | 30,000円 |
対面・お電話とも同一料金です。深層心理カウンセリングは、一日にお一人だけお受けしています。迷われる場合は、まず60分か90分のカウンセリングから始めていただいて構いません。
遠方の方、外に出づらい方へ
お電話でも、同じ内容を受けていただけます。全国どこからでも、通話料はいただきません(こちらからおかけします)。当日のご予約も、開始の2時間前まで承ります(深層心理カウンセリングのみ、開始の24時間前まで)。
対面の場合は、世田谷区等々力七丁目のプライベートサロンで。詳しい場所は、ご予約確定後にお伝えします。自由が丘駅から徒歩約15分、「等々力七丁目」バス停から徒歩1分。営業時間は 11:00 – 21:00、火・水が定休です。
ご予約は予約ページのカレンダーから、日付・時間・メニューの順にお選びいただけます。初めての方は初めての方へもあわせてご覧ください。
変われなかった時間は、無駄ではない
何度も決意して、何度も戻ってきた。その事実だけを見れば、失敗の記録に見えるかもしれません。
けれど、決意を繰り返せるということは、それだけ長く「変わりたい」と思い続けてきたということです。あきらめた人は、決意すらしません。
足りなかったのは意志ではなく、ブレーキの正体を知る時間だったのだと思います。
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