COLUMN / こころのコラム
複雑性トラウマとは?
繰り返された傷・機能不全家庭で育つということ
これといって大きな事件があったわけではない。
それなのに、いつも生きづらい。人といると気をつかいすぎて疲れる。自分に自信が持てない。
——そんな「原因のはっきりしない生きづらさ」の背景に、複雑性トラウマがあることは少なくありません。
一度の強い出来事ではなく、長く繰り返された小さな傷。特に、逃げられない家族関係の中で積み重なったものは、こころの土台そのものに影響します。この記事では、複雑性トラウマとは何か、機能不全家庭で育つとはどういうことか、そして自分のペースで回復していく道のりを、深層心理の視点からお話しします。
(トラウマ全般については 「トラウマとは?日常に残る心の傷との向き合い方」 でも解説しています。本記事は、その中でも「繰り返された傷」に焦点をあてます。)
複雑性トラウマとは
トラウマというと、事故や災害のような一度の大きな出来事を思い浮かべるかもしれません。それに対して複雑性トラウマは、長い期間にわたって、繰り返し受けた傷から生まれます。しかも多くは、本来もっとも安全であるはずの関係——親や家族との関係の中で起こります。
逃げ場のない場所で、少しずつ、けれど繰り返し傷ついていく。だからこそ、「これがつらかった」と一言で説明しづらく、本人ですら「自分が弱いだけ」と思い込んでしまいがちです。けれど、繰り返された傷は、確かにこころに残ります。
機能不全家庭で育つということ
「機能不全家庭」とは、家庭が本来もつ「安心して育つ器」としての役割を、じゅうぶんに果たせなかった状態を指す言葉です。特別ひどい家庭のことだけを言うのではありません。
- 感情を素直に出すと、否定されたり、なかったことにされた
- 親の機嫌をうかがうのが日常だった
- 子どもなのに、親や家族の世話役を担わされていた
- 「いい子」でいる時だけ、受け入れてもらえた
こうした環境では、子どもは生き延びるために、ある役割を身につけます。いつも聞き分けのいい「いい子」、場を明るくする「道化役」、みんなの世話をする「世話役」——。それは当時のあなたが、家庭の中で安全でいるために編み出した、かしこい工夫でした。ただ、その役割を大人になっても手放せずにいると、生きづらさとして現れてきます。
| 育ちの環境 | 大人になって出やすいかたち |
|---|---|
| 感情を出せなかった | 自分の気持ちがわからない・感じないようにする |
| 親の機嫌をうかがってきた | 人の顔色に敏感・断れない・気をつかいすぎる |
| 「いい子」の時だけ認められた | ありのままの自分でいることが怖い |
| 世話役を担ってきた | 人に頼れない・自分のことは後回しにする |
「アダルトチルドレン」は、病名ではない
こうした育ちの影響を語るとき、アダルトチルドレンという言葉が使われることがあります。大切なのは、これは医学的な診断名でも、病気の名前でもないということです。
アダルトチルドレンは、「子どもの頃の家庭環境が、大人になった今の生きづらさに影響している」——そのつながりを理解するための言葉にすぎません。自分を「異常だ」とラベルづけするためのものでも、親を一方的に責めるためのものでもありません。まずは「今の苦しさには、育ちという背景があるんだ」と知ること。そこから、回復ははじまります。
回復への、小さな一歩
すぐに何かを変えなくて大丈夫です。まずは、身につけた役割を少しゆるめるところから。
- 「気をつかいすぎている自分」に気づく。 責めるためではなく、「今、また役割が出ているな」と眺めるだけで十分です。
- 小さな「イヤ」を言ってみる。 断ること、頼ること。ほんの小さな場面から練習していく。
- 感じた気持ちに名前をつける。 モヤモヤしたら「これは寂しさ? 怒り?」と問いかけ、紙に書き出してみる。
- 安心して話せる場所を持つ。 否定されずに聴いてもらう体験そのものが、こころの土台を少しずつ立て直します。
それでも、幼い頃からの役割を、ひとりで手放すのは簡単ではありません。長く続けてきた分だけ、それが「自分の性格」だと感じてしまうからです。
ひとりで抱えなくていい
こころカウンセリングでは、繰り返された傷や、機能不全家庭で身についた生きづらさに、あなたのペースで一緒に向き合っていきます。無理に過去を掘り起こすことはしません。安全だと感じられるところから、少しずつで大丈夫です。表面の悩みだけでなく、その奥にある「いつ、何のためにその役割を身につけたのか」まで一緒にたどっていけるのが、深層心理を専門にしている強みです。
| メニュー | 時間 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| カウンセリング | 60分 | 8,000円 |
| カウンセリング | 90分 | 12,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 150分 | 25,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 180分 | 30,000円 |
対面・電話どちらも同じ料金です。場所は世田谷区等々力七丁目のプライベートサロン(詳細は予約確定後にご案内します/自由が丘駅から徒歩約15分・等々力七丁目バス停から徒歩1分)。遠方の方や、外に出るのがしんどい方には、全国対応の電話カウンセリングもあります(通話料無料)。
ご予約はご予約ページのカレンダーから、日にち→時間→メニューの順にお選びください。当日のご予約も開始2時間前まで承ります(深層心理カウンセリングのみ、一日にお一人・開始の24時間前まで)。
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おわりに
今の生きづらさは、あなたの性格の欠陥ではなく、幼いあなたが生き延びるために身につけた、けなげな工夫の名残です。
役割は、少しずつ脱いでいけます。「いい子」でいなくても、世話役でいなくても、あなたはここにいていい——そう思えるようになる時間を、一緒に育てていきましょう。
気になった時が、はじめどきかもしれません。あなたのこころが、少しでも軽くなりますように。
宗教やスピリチュアルから離れたあとの回復については、宗教・スピリチュアルから離れたあとの相談のページにまとめています。ご家族が今もその中にいる場合は、ご家族が、宗教やスピリチュアルの中にいる方へをご覧ください。
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