COLUMN / こころのコラム
宗教二世の生きづらさと回復
「おかしいのは自分」と思ってきたあなたへ
家の信仰が、生まれたときから「当たり前」だった。
学校の友だちと、なんとなく話がかみ合わない。「普通の家」がどんなものか、よくわからない。
——そんな感覚を、そっと抱えたまま大人になった方は、少なくないように思います。
まわりと自分がずれている気がして、でもそれをうまく言葉にできなくて、「おかしいのは自分のほうかもしれない」と、長いあいだ自分を責めてきた——。もし心当たりがあるなら、この記事が少しだけ力になれたらと思います。宗教二世として育った生きづらさがどこから来るのか、そして自分を取り戻していく道のりを、深層心理の視点から、ゆっくりお話ししていきます。
その生きづらさは、あなたのせいではありません
はじめに、ひとつだけお伝えしたいことがあります。生まれ育つ環境を、子どもは選ぶことができません。物心つく前から与えられた価値観は、あなたにとって「たくさんある考え方のひとつ」ではなく、世界そのものでした。それを疑うという発想を持てなかったのは、ごく自然なことだったと思います。
だから、外の世界とのずれに気づいて苦しくなったとしても、それはあなたが弱いからではありません。むしろ、自分自身の感覚で世界を見はじめた、そのしるしなのかもしれません。
なお、この記事は特定の信仰や教団の良し悪しを論じるものではありません。信じ続けることも、少し距離を置くことも、どちらもあなた自身が決めていいことです。ここでいっしょに見ていきたいのは、その手前にある「生きづらさ」のほうです。
よくある、生きづらさのかたち
宗教二世として育った方が抱えやすい感覚には、いくつか似かよったものがあるようです。あてはまるものがあっても、なくても、どうか「そういうこともあるんだな」というくらいの気持ちで読んでみてください。
強い罪悪感と「〜すべき」
楽しいことをすると、なぜか罪悪感がわいてくる。自分を優先すると、いけないことをしている気がする。幼い頃から「こうあるべき」を強く求められて育つと、自分を責める声が、大人になっても頭の中で鳴りやまないことがあります。
自分の気持ちがわからない
「教え」や「家のルール」が、いつも自分の気持ちより先にあった——。そんなふうに過ごしてきた方は、「自分が本当はどうしたいのか」が、少し見えにくくなっていることがあります。頭では考えられても、こころが置いてけぼりになっているような感覚です。
人との距離・信頼のとり方に迷う
「内」と「外」をはっきり分けて育つと、外の人をどこまで信じていいのかがわからず、深い関係を築くのがこわく感じられることがあります。近づきたいのに、近づけない。そのもどかしさを抱える方も少なくありません。
自分で決めることへの、ためらい
選択をいつも誰かに委ねてきた方ほど、自分で決めることに不安を感じやすいようです。「間違えたら取り返しがつかない」という感覚が、いつのまにか身についていることがあります。
離れた後の、喪失と孤独
信仰から距離を置いた場合でも、生きづらさがすぐに消えるとは限りません。これまでの居場所やつながり、時には家族との関係まで変わってしまって、深い孤独を感じることもあります。「自由になったはずなのに、なぜか苦しい」——その苦しさにも、ちゃんと理由があります。
| 育ちの中で身についたこと | 大人になって出やすいかたち |
|---|---|
| 自分より「教え」を優先してきた | 自分の気持ち・望みがわからない |
| 「べき」を強く求められた | 楽しむこと・休むことに罪悪感がわく |
| 「内」と「外」を分けて育った | 人を信じる・頼ることがこわい |
| 選択を委ねてきた | 自分で決めることにためらいを感じる |
取り戻すのは、「信仰の否定」ではなく、あなた自身
回復とは、これまでの育ちや信仰を否定して、別の「正しい答え」に置きかえることではありません。こころカウンセリングは、信仰の是非を判断する場所ではありませんし、あなたに何かを信じさせたり、やめさせたりすることもありません。
ゆっくり取り戻していくのは、もっと手前にあるもの——あなた自身の感覚、あなた自身の言葉、そして「自分で選んでいい」という感覚です。何を信じ、誰とどう関わり、これからどう生きるか。それを、あなたのペースで、少しずつあなたの手に戻していく時間です。
回復への、小さな一歩
すぐに何かを変えなくて、大丈夫です。まずは、自分の感覚に少しだけ耳をすますところから。
- 「変だと感じた自分」を否定しない。 ずれに気づけたことは、あなたの感覚がちゃんと働いているしるしです。
- 小さな「好き・嫌い」を試してみる。 何を食べたいか、どこに行きたいか。ささやかな選択を、自分の気持ちで決めるところから。
- 罪悪感がわいたら、その出どころをそっと眺めてみる。 「今のこれは、本当に悪いこと? それとも、そう感じるように育っただけかな」と、やさしく問いかけてみる。
- 否定されずに話せる場所を持つ。 事情を知らない人に一から説明するのは、それだけで大きな負担です。安全だと感じられる場所で、少しずつで大丈夫です。
とはいえ、長い時間をかけて身についた感覚を、ひとりでほどいていくのは簡単ではありません。自分にとっての「当たり前」は、自分の目からはいちばん見えにくいものだからです。
ひとりでほどかなくていい
こころカウンセリングでは、宗教二世として育った生きづらさに、あなたのペースで、いっしょに向き合っていきます。何を、どこまで話すかは、あなたが決めて大丈夫です。うまく話せなくても、沈黙が続いても、その時間ごと大切にしながら進めます。表面の悩みだけでなく、その奥にある「いつ、何のためにその感覚が身についたのか」まで、いっしょにたどっていけるのが、深層心理を専門にしているところの支えになれる部分だと思っています。
| メニュー | 時間 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| カウンセリング | 60分 | 8,000円 |
| カウンセリング | 90分 | 12,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 150分 | 25,000円 |
| 深層心理カウンセリング | 180分 | 30,000円 |
対面・電話どちらも同じ料金です。場所は世田谷区等々力七丁目のプライベートサロン(詳細は予約確定後にご案内します/自由が丘駅から徒歩約15分・等々力七丁目バス停から徒歩1分)。ご家族に知られたくない方や遠方の方には、全国対応の電話カウンセリングもあります(通話料無料)。
ご予約はご予約ページのカレンダーから、日にち→時間→メニューの順にお選びください。当日のご予約も開始2時間前まで承ります(深層心理カウンセリングのみ、一日にお一人・開始の24時間前まで)。
- はじめての方は▶ 初めての方へ をご覧ください
- 関連記事▶ 洗脳・マインドコントロールとは?影響から回復していくために
- 関連記事▶ 複雑性トラウマとは?繰り返された傷・機能不全家庭で育つということ
おわりに
「おかしいのは自分だ」と思ってきた長い時間は、あなたが弱かったからではなく、それだけ真剣に、与えられた世界を生きようとしてきた時間なのだと思います。
その感覚は、少しずつ、あなたの手に戻していけます。何を信じ、どう生きるかを自分で選べるようになったとき——その静かな変化に、いつか、あなた自身がやさしく気づく日がくるはずです。
気になった時が、はじめどきかもしれません。あなたのこころが、少しでも軽くなりますように。
宗教やスピリチュアルから離れたあとの回復については、宗教・スピリチュアルから離れたあとの相談のページにまとめています。ご家族が今もその中にいる場合は、ご家族が、宗教やスピリチュアルの中にいる方へをご覧ください。
ブログの更新は、LINEでお知らせしています。
LINEで更新を受け取る ›
